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東京ルールズ25周年セミナー

2015年9月7日(月)から9日(水)の間、国連アジア極東犯罪防止研修所において、本年が1990年に国連総会で採択された「非拘禁措置に関する国連最低基準規則」(東京ルールズ)の25周年に当たる年であることを記念し、「東京ルールズ25周年セミナー」が開催されました。このセミナーは、刑事司法手続における非拘禁措置の更なる活用を推し進めるため、社会内処遇の意義を確認するとともに、非拘禁措置の運用状況を各国の実施状況を見ながら改めて検討することにより現状における課題を把握し、東京ルールズの更なる普及を目指すことを目的としたものです。

東京ルールズは、国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)において第一案が起草され、1990年の制定以来25年間にわたって、加盟各国が活用し得る非拘禁措置の形態、手続、実施に当たっての基本姿勢を示してきました。その背景には、刑事施設における過剰収容、人権思想の高揚に伴う刑罰の人道化、犯罪者の改善更生・社会復帰の思想等が挙げられ、これまでの間、施設拘禁に代わる非拘禁措置を推進する国際的な指標として各国に影響を及ぼしてきました。引き続き、@刑事政策(犯罪者処遇)における経済性、効率性の向上、A人権に配慮した社会内処遇の活用、B効果的な再犯防止対策といった観点から、今後もその活用範囲を広げていくことが重要です。非拘禁措置の活用は、刑事施設の過剰収容に悩む国々にとって、その緩和へ向け拘禁措置に代わる措置にもなり得るものです。また、それだけでなく、犯罪者の改善更生を促進することに重点を置いた社会内処遇の積極的な活用にも道を開くものです。

本セミナーには、日本の刑事司法実務家やアジ研教官、第161回国際研修の参加者のほか、国連薬物犯罪事務所犯罪予防・刑事司法担当官のスベン・ファイファー氏、国連ヨーロッパ犯罪防止研究所長のマッティー・ヨッツェン氏、韓国刑事政策研究院刑事司法国際協力部長のキム・ハンキュン氏、北京師範大学刑事法律科学研究院犯罪・矯正研究所所長のウー・ゾンシャン氏、タイ法務研究所長のキティポン・キッタヤラク氏、アメリカの矯正専門家ギャリー・ヒル氏など多くの専門家が出席し、様々な各国・地域の非拘禁措置の実施状況につき協議しました。

そのほか、「非拘禁措置の実践に当たっての多機関連携と市民参加」や「東京ルールズの実務上の課題と将来像」といった観点からの討論も行われ、活発な議論が交わされました。

最後に講演やテーマ別討論で議論された内容を取りまとめ、本セミナーの成果をレポート(英文)として発表しました。

「東京ルールズ25周年セミナー結果報告」(原文 THE 25TH ANNIVERSARY SEMINAR OF THE UNITED NATIONS STANDARD MINIMUM RULES FOR NON-CUSTODIAL MEASURES “Report of the Seminar”)はこちらPDF

発表及び討論の様子


開会挨拶(アジ研山下所長)

国連薬物犯罪事務所 ファイファー氏

アジ研によるワークショップ(箕浦教官)

法務省保護局 今福観察課長

タイ法務研究所 キッタヤラク所長

国連ヨーロッパ犯罪防止研究所 ヨッツェン所長

テーマ別討議の様子


左から東京地検社会復帰支援室松友氏、アメリカの矯正専門家ヒル氏、国連ヨーロッパ犯罪防止研究所 ヨッツェン所長

北京師範大学刑事法律科学研究院 犯罪・矯正研究所のウー・ゾンシャン所長
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