CLMV諸国を対象とした犯罪者の社会内処遇推進支援
平成25及び26年にアセアン諸国10か国に中華人民共和国、大韓民国及び日本の3か国を加えたアセアン・プラス3は、域内の社会内処遇の普及、発展を目的とした保護観察及び社会内処遇に関するアセアン・プラス3会議を開催し、平成26年8月にタイで開催された第2回会議において、平成30年までの社会内処遇制度発展のためのロードマップが承認され、その実現のためにアセアン諸国の社会内処遇の導入・発展が課題とされました。当所では、このロードマップを踏まえ、平成26及び27年度にアセアン諸国における社会内処遇制度の導入・発展のためのセミナーをタイ法務省保護局、JICA、TIJ、法務省保護局と共同で開催してきました。
平成28年度からは、アセアン諸国の中でも特に社会内処遇の制度が未整備なカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの4か国に向けた研修をJICA第三国研修(以下「第三国研修」という。)として全3回の予定で行うこととなり、当所は主催者の一つであるタイ法務省保護局と共同して事前の準備会合を行うとともに、タイでの第三国研修に当所の教官がJICA専門家として参加するなどして協力してきました。
平成30年度まで各年度に1回ずつ開催されてきた第三国研修においては、社会内処遇にかかる国際準則、タイの保護観察の歴史や法制度を学ぶとともに、保護観察所での実務に触れたほか、関係機関・施設を見学しました。そして各国ごとに社会内処遇の導入・発展に向けた課題や対策について協議し、発表を行いました。
一方、当所が独自に実施したフォローアップセミナーでは、各回の第三国研修の成果や各国の課題への対策、推進プランの進捗状況を共有するとともに、社会内処遇の実施に関係する民間施設を見学したほか、第三国研修で課題として挙げられた事項(実態把握のための統計・データベースの構築、関係機関との連携、実施機関の選定、社会内処遇実施中の対象者の再犯時の対応等)について日本の知見・経験を学ぶ機会を提供してきました。
CLMV諸国を対象とした犯罪者の社会内処遇推進第三国研修
フォローアップセミナー